Amazon Prime AirとはAmazonによる新しい配達サービスの名称です。
航空機、ドローンを用いた空を使ったサービスとなります。
さらにAmazonが便利になりそうな予感がしますが、日本での導入はいつになるのでしょうか。
また、Amazon Prime Airに心配な点はないのでしょうか。
ご紹介します。
Amazon Prime Airのサービス内容は?
そもそもAmazon Prime Airという言葉を聞いたことがある人は少ないと思います。
Amazon Prime Airとは航空機とAmazonが開発しているドローンを使った配達のことを指しています。
Amazonはこの近未来的な配達方法を実現するために、Prime Air開発センターをアメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、イスラエルに構え、そこにて実験、開発を進めているようです。
日本では導入されるの?
Amazonが新しいサービスを始めると聞いたら気になるのは日本への導入のタイミングです。
Amazonの新サービスAmazon Prime Airは日本でも導入されるのでしょうか。
一般向けのサービス開始は各国で未実施
残念ながら、2019年6月の段階でAmazon Prime Airの特にドローンによる配達サービスの導入については詳細に明かされていません。
これは日本だけでなく世界各国についても同様です。
まだ、Amazon本社のあるアメリカでもドローンについては、一般向けにサービス導入されていませんから、日本でのドローンによる配達は導入されるとしても、早くて1年以上は先のことになりそうです。
ちなみに、イギリスにてAmazonはドローンのパイロットプログラムを実施しているため、最初にドローンによる配達サービスが開始されるのはイギリスではないかという意見も見られています。
日本でのドローンの今後の展開はどうなる?
今の日本で、ビジネスとしてドローンを公共の場で飛ばすのは、残念ながら難しそうです。
なぜならドローンに関する法律が未だに整備されていないからです。
ただし、私有地でならビジネスとして飛ばしても問題なさそうです。
実際、大手企業の楽天では自社が保有するゴルフ場で飲み物を届けるのにドローンを使っています。
また、市場に目をやってもドローンの未来は明るいと言えるでしょう。
2017年度のドローンビジネスの市場規模は約503億円でしたが、その翌年の2018年度には約931億円にまで成長しています。
なんと85%も増えているのです。
さらに、2024年度には5073億円に達するとまで見込まれています。
このことから考えて、現状は日本でのドローン配達サービスの開始は難しくても、近い将来的には日本での導入も十分に期待できそうです。
日本で懸念されていること
日本でドローンを利用する際懸念されている事が、「電柱と電線」です。
他国では電線の地中化が進んでおり、街に電線がある事が少なくドローンも飛ばしやすい環境にあります。
しかし日本は地中化はさほど進んでおりません。
2017年に「無電柱化推進条例」が可決されましたが、現実は厳しく街のいたるところに電柱や電線がある状態です。
以上の事があると、少なくともドローンを飛ばして配達できる環境ではないと考えられます。
Amazon Prime Airドローンのスペックはどのくらい?
ところで、Amazon Prime Airで使われるドローンのスペックはどのくらいなのでしょうか。
ご紹介します。
24km圏内30分のドローンの実力
AmazonのWorldwide Consumer部門のCEOであるJeff Wilke氏がPrime Airで用いるとされているプライムエアードローンについて言及しています。
まず、耐えられる重さは2.3kgまでで、これを24km圏内にいるプライム会員に30分以内で自動配達してくれるようです。
道のりでの24kmの距離を30分で届けるのは大したことないように思えますが、ドローンの場合は直線距離で24kmです。
そう考えるとかなりスピーディーな配達になると言っていいでしょう。
配達形態ですが、どうやらドローンには専用の配達ボックスが付けられ、それを配達先の家庭の庭に置いて、また所定の場所に戻ってくるまでが全自動で行われることを構想しているようです。
Jeff Wilke氏は数ヶ月後に実現させると言っているようなので、かなりの実践段階まで開発が進んでいるのでしょう。
ドローンにはコンピュータービジョン、機械学習機能も搭載
プライムエアードローンには高度なアルゴリズムが搭載されています。
例えば、動いているものと止まっているものを両方とも見分けるシステムであったり、ドローンに映された映像から必要な情報だけを取り出したり、学習したりするAmazon独自の機能が搭載されています。
また、ドローンが配達物も届ける際は当然、離着陸するスペースが必要になります。
ドローンが見ている映像を立体で捉える機能を使用して、着陸スペースに向いている箇所がないか判断することもできるようです。
さらに飛行機能についても優れています。
ヘリコプターと航空機の両方の良い所を兼ね備えていて、ヘリコプターのような垂直離着陸と航空機のような空中旋回が可能です。
Amazonはすでに特許を獲得済み
実はAmazonは2016年時点で、アメリカの特許商標庁にドローンを使った新しい配送システムの特許を申請して獲得しています。
その特許商標庁が開示した資料によると、飛行船とドローンに関した特許のようです。
そのことから、飛行船を配送用ドローンのハブとして、大量のドローンと配達物を格納し、飛行船からドローンを降下させるという配達システムだと考えられます。
確かに上記した24km圏内の縛りがあっても、飛行船のように移動可能なハブがあれば、あらゆる地域でドローンによる配達が可能になり、より多くの人にAmazon Prime Airを利用してもらえるでしょう。
また、ハブとなる飛行船の飛行高度は45000フィート(約13.7キロメートル)程度を想定しているようです。
旅客機が大体高度10キロメートルくらいを飛行していますから、私たちが乗る飛行機よりも高い上空を飛ぶことになります。
なお、配達物、ドローン、飛行船の燃料の補充は小型のシャトル飛行船を使って随時行うようです。
Amazon Prime Air航空機について
実は2016年の時点でAmazonは専用輸送機を所有していました。
胴体にはPrime Airの文字、そして後方の垂直尾翼にはAmazonのおなじみのロゴマークが入っています。
この機はボーイング767-300型の普通の旅客機から改修された機らしいです。
Amazon Prime Airが導入された際の心配点
航空機による運送はすでにあるとしても、ドローンを用いた配達が実現できたら夢のようです。
配達時間は短縮するだろうし、もしかしたら配達にかかる人件費などの負担がなくなる分、各Amazonのサービスが今よりも低価格で利用できるようになるかもしれません。
ただし、Amazon Prime Airには心配な点もあります。
Prime Airの墜落事故
実は、Amazonは災難にもPrime Airの一環として所有しているボーイング767型という貨物機での墜落事故に見舞われています。
2019年2月23日のことです。
貨物機はフロリダのマイアミからヒューストンに向かう途中で墜落してしまいました。
今回は住宅地に墜落しなかったため、最悪の事態は免れたと言えそうですが、Prime Airの安全性への信頼は揺らいでしまいます。
ドローンと貨物機と比較してどうするって感じるかもしれませんが、ドローンでも十分事故に遭うかもしれないのが現状です。
新システムにバグを付き物
次に心配される点はバグです。
IT企業による新システムの導入にはバグが付き物です。
それはAmazonのような世界的な企業にも言えることではないでしょうか。
もちろん、度重なる安全実験はしてからの導入になるのでしょうが、それでもバグが100%ないとは言い切れません。
ドローンが配達途中にコントロールを失い、墜落する羽目になったらかなり危険と言えるでしょう。
また、ハッカーによる乗っ取りも考えられます。
こういったリスクがあるうちに、日本でAmazon Prime Airが導入されたら利用者の不安を煽り、逆効果になりそうです。
Amazonもセキュリティ面には最善を尽くしている
上記のようにAmazon Prime Airの安全性には不安が残りますが、Amazonもセキュリテイ面の大切さは重々承知しているようです。
公式ホームページに目をやると、Amazon Prime Airの安全性の大切さについて言及しているのがわかります。
まとめ
Amazon Prime Airは主にドローンを使ったAmazonの新しい配達サービスです。
残念ながら、2019年6月時点では世界各国において、一般向けのサービスとしては開始していませんが、Amazonは着々と準備を進めているようです。
日本のドローン市場から考えてみてもドローンの将来は明るそうですから、きっと近い将来にAmazonによるドローン配達が日本でも見られる日が来るでしょう。
ドローン配達はセキュリティ面で多少不安な点もありますが、新技術の導入には不安は付き物です。
不安にだけ注目していては新しいサービス、技術は生まれにくくなってしまいますので、もちろん、安全性の試験をしっかりとパスした状態が前提ですが、Amazon Prime Airの日本での導入を楽しみに待つとしましょう。